公開日 2024.07.28
更新日 2024.07.28
知識
コールセンターの業種や職種は何になる?仕事内容別に解説
企業が社内にコールセンターを設置する場合、その業種が何に該当するのか正しく認識しておく必要があります。
また、コールセンターの職種を理解することで、人材配置や業務フローが適正化され、スムーズな運営につながるでしょう。そこでこの記事では、コールセンターの業種や職種について、仕事内容別に解説します。
コールセンターの業種とは?
企業が運営するコールセンターの業種は、一体何になるのでしょうか?
業種と職種は混同しやすい言葉ですが、意味が異なります。両者の違いを踏まえたうえで、コールセンターの設置が多い業種もみていきましょう。
勤務企業の業種に該当する
コールセンターという言葉自体は部署の名称であり、業種や職種を指すわけではありません。コールセンターの業種は、設置している企業の業種に該当すると考えてください。
そもそも業種とは、企業が展開する事業の内容や種類のことです。日本では、総務省の定めた「日本標準産業分類」によって、業種がA~Tまでの20種類に分類されています。
代表的なものとして、農業や漁業、サービス業などが挙げられるでしょう。
一方で職種とは、従業員個人が請け負う業務の種類を示すものです。職種は厚生労働省による「職業分類」でA~Kまでに大きく分けられ、さらに細分化されています。営業職や事務職と聞くと、イメージしやすいでしょう。
例えば、情報通信業の企業が運営するコールセンターで顧客対応を行っている場合、コールセンターの業種も同じく情報通信業となります。
コールセンターの設置が多い業種
近年、さまざまな業種でコールセンターが設置されています。業種を問わず、顧客からの問い合わせや商品の受注などの電話対応業務に対するニーズは高いといえるでしょう。
では、特にコールセンターの設置が多い業種はあるのでしょうか?
そのひとつが、通信販売業です。通信販売業のコールセンターでは、注文や返品の手続き、商品説明などが主な業務となります。問い合わせ内容をヒアリングし、顧客に適切な案内をする役割も求められます。
また、電気・ガス・熱供給・水道業などインフラ関連の業界では、コールセンターの設置が多い傾向です。
この他にも、航空業や情報通信業、サービス業といった業種が挙げられます。金融業や保険業のコールセンターも多く見られますが、オペレーターに専門知識が必要なケースもある点に留意してください。
コールセンターの職種
コールセンターの業種は、設置する企業に準ずるものです。
一方で、コールセンターの職種は業種にかかわらず、大きく2つに分けられます。ここでは、コールセンターの職種について詳しく解説します。
オペレーター
コールセンターにおける職種のひとつが、オペレーターです。
オペレーターは、主に顧客への電話対応を請け負います。企業内のコールセンターに勤務している場合もあれば、アウトソーシング業者から依頼企業に派遣される場合もあるでしょう。
また、オペレーターの業務内容は、インバウンド業務とアウトバウンド業務という2種類に大別されます。
インバウンド業務とは、顧客からの問い合わせや注文に対応する受電業務です。これに対し、アウトバウンド業務はオペレーターから顧客に電話をかける発信業務となります。
オペレーターがインバウンド業務とアウトバウンド業務のどちらを行うかは、企業の業種によって決まると考えてよいでしょう。
スーパーバイザー(SV)
もうひとつの職種が、スーパーバイザー(SV)です。
SVは、コールセンターの現場でオペレーターを管理する責任者にあたります。
主にオペレーターからの質問に答えたり、エスカレーションに対応したりと、電話対応業務を臨機応変にサポートする立場です。時には、オペレーターでは解決できないクレーム電話に代わる場合もあります。
コールセンターでは、SV1人が数名のオペレーターをとりまとめ、日々の勤怠管理から採用育成に至るまで担うのが基本です。
その業務内容は多岐にわたり、コールセンターの対応品質を維持するのに欠かせないといえるでしょう。
コールセンターのオペレーターの職種分類とは?
コールセンターでは、オペレーターとSVという2つの職種があります。そして、オペレーターに関してはさらに職種を分類することが可能です。ここからは、オペレーターの主な職種6つについて解説します。
ヘルプデスク
ヘルプデスクとは商品・サービスに関する技術的な問い合わせに対応する職種で、インバウンド業務に該当します。
商品の使い方やサービスの不具合について顧客から電話があった際に、適切な解決策を提示するのが主な役割です。必要に応じて修理センターに連絡したり、営業部署と連携したりします。
近年は、電話だけでなくメールやチャットシステムを導入して顧客に対応するケースも増えているようです。
また、社内システムに関する従業員の問い合わせに対応するヘルプデスクは、社内ヘルプデスクと呼ばれます。
後述のカスタマーサポートと比べると電話対応の範囲が限られますが、商品・サービスの正しい知識が必要です。ただし、より専門性の高い業種のコールセンターでは、テクニカルサポートの方が設置に適しているでしょう。
カスタマーサポート
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに幅広く対応するコールセンターの職種です。
商品・サービスに関する質問や注文受付に加えて、クレームへの対応を求められるケースもあります。
このようにカスタマーサポートにはさまざまな問い合わせが寄せられるため、オペレーターには優れたコミュニケーション能力や柔軟な判断力が必要不可欠です。カスタマーサポートが適切に対応できなければ、顧客に不信感を抱かせかねません。
カスタマーサポートは企業の顔として、顧客満足度と企業のロイヤリティを左右する重要な立場だといえます。
テクニカルサポート
テクニカルサポートはインバウンド業務のひとつで、商品・サービスの専門的な問い合わせを受け付けます。より複雑な技術面の問題に対応する点が、ヘルプデスクとの違いです。
テクニカルサポートの対象は一般顧客だけでなく、自社の商品・サービスを利用する企業のシステム担当者やSEも含まれるでしょう。
また、問い合わせ内容によっては、現場で商品・サービスの使い方を説明したり、状況を確認したりする場合もあります。
テクニカルサポートは、自社の商品・サービスに関する専門知識を身につけていることが特に大切です。さらに、システムの開発や運用といった高度なスキルがあると実務に活かせるでしょう。
テレフォンアポインター
テレフォンアポインターとはアウトバウンド業務にあたる職種で、テレアポとも称されます。
オペレーターが新規顧客に電話をかけ、商談や訪問のアポイントを獲得するまでが、テレアポの業務範囲です。新規顧客に対するテレアポが成功した場合、受注確度の高い案件として営業部署に引き継ぎます。
テレアポでは、自社の商品・サービスに関する知識はもちろん、わかりやすい説明の仕方や丁寧な言葉遣いを習得していることが大切です。
また、企業のコールセンターによっては、架電数やアポイントの獲得件数にノルマを課しています。さらにテレアポの成果次第でインセンティブが与えられるケースもあり、営業的な要素の強い仕事といえるでしょう。
テレマーケティング
コールセンターのテレマーケティングは、見込み顧客や既存顧客に架電して自社の商品・サービスを案内する職種です。
テレマとも略され、顧客の購買意欲を高めることを目的としています。
すでに取引のある顧客や需要の見込まれる顧客を対象としますが、受注につなげるには相手に応じて適切なコミュニケーションを取れるかが重要となるでしょう。
また、商品・サービスの満足度や利用状況についてアンケート調査を行うのも、テレマの一環です。テレマの実践を通じて商品・サービスを改善すれば、顧客満足度の向上に伴い、自社の売上だけでなくロイヤリティもアップできます。
インサイドセールス
インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメールなど非対面の手段で営業を行う職種です。
インサイドセールスでは、顧客に継続してアプローチしながら、見込み度合いを高めていきます。成約の見込まれる段階になったところで顧客を営業部署に引き渡すだけでなく、受注確度の低い顧客へのフォローも大切な業務です。
インサイドセールスにおいては、アポイントの獲得数よりも顧客との信頼関係を築くことが重視されます。
また、インサイドセールスは営業活動を効率化し、人手不足の解消につながるとして注目されている営業手法です。自社の営業成績が伸び悩んでいる企業では、コールセンターにインサイドセールスの職種を設置してみてもよいでしょう。
まとめ
コールセンターは、今や多くの企業に設置されている部署のひとつです。その業種は、運営する企業と同じものに分類されます。
また、コールセンターの職種はオペレーターとSVに大別され、それぞれ重要な役割を担っています。とりわけSVは、コールセンターの管理者として責任のある立場です。
さらにオペレーターの職種については、業務内容の違いで細かく分けられます。自社のコールセンターがインバウンド業務とアウトバウンド業務のどちらに属するかによって、必要となる職種も変わる点に注意してください。
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※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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