公開日 2023.12.27
更新日 2024.01.29
知識
ヘルプデスクとコールセンターの違いとは?それぞれの役割や業務内容を解説
ヘルプデスクとコールセンターは、企業に設置されるサポート部門のひとつとして、よく混同されがちです。実際に、ヘルプデスクとコールセンターには類似点もありますが、それぞれの役割や業務内容などは異なります。
自社においてヘルプデスクとコールセンターのどちらが必要なのか、悩んでいる企業もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、ヘルプデスクとコールセンターの違いについて詳しく解説します。
ヘルプデスクとコールセンターのそれぞれの業務内容
ヘルプデスクとコールセンターでは、実際にどのような業務を行っているのでしょうか?ここでは、ヘルプデスクとコールセンターがそれぞれ担当する業務内容について、具体的に説明します。
ヘルプデスクとは?
ヘルプデスクとは、企業の商品・サービスに関する疑問や困りごとを解決する部署です。例えば、サービスの利用方法をわかりやすく教えたり、商品の不具合に適切な解決策を提示したりと、専門性の高い対応が求められます。
原則として、ヘルプデスクが主体となって架電や情報発信を行うことはありません。社外の顧客、あるいは社内の従業員から電話を受ける形で運営されています。また、コールセンターで対処しきれない専門的な問い合わせ内容を引き継ぐケースもあるでしょう。
顧客対応にあたるヘルプデスクは、「社外向けヘルプデスク」と呼ばれます。商品・サービスへの質問だけでなく、時にはトラブルが原因で生じたクレームにも対応しなければなりません。そのため、商品・サービスの正しい知識と併せて、迅速な判断力やコミュニケーション能力が求められます。
一方で、社内の従業員をサポートするのが「社内向けヘルプデスク」です。この場合、自社の商品・サービスはもちろん、社内で採用している機器・サービスに関する問い合わせにも対応します。社内向けヘルプデスクを設置することで、社内のIT環境が整備され、従業員が快適に働けるようになるでしょう。
つまりヘルプデスクは、顧客と企業の双方を支える重要な立場だといえます。
コールセンターとは?
企業のコールセンターは、顧客からの問い合わせを幅広く受け付ける部署です。その業務内容は多岐にわたりますが、大きく2種類に分けられます。
商品・サービスに関する質問やクレームなど、コールセンターに寄せられるさまざまな問い合わせに対応するのが、インバウンド業務です。
一方で、オペレーターから顧客に電話をかける業務は、アウトバウンド業務と呼ばれます。テレフォンアポインターやテレフォンマーケティングを通じて、新たな市場を開拓したり、顧客の潜在ニーズを把握したりすることが可能です。
このように、コールセンターはカスタマーサポートだけでなく、営業活動の役割も担っています。
企業がコールセンターを効率よく運営すれば、顧客の意見を活かして商品・サービスをブラッシュアップできるでしょう。また、質の高い電話対応によって顧客の満足度が向上するほど、企業の信頼感も高まります。
コールセンターとは、電話を利用する業務形態そのものであり、企業にとって収益アップに欠かせない要素です。
ヘルプデスクとコールセンターの違いとは?
ヘルプデスクとコールセンターには、問い合わせへの対応という共通点がある一方で、その設置目的や業務内容はそれぞれ異なります。ここからは、ヘルプデスクとコールセンターの違いについて、3つの観点から詳しくみてみましょう。
目的や役割の違い
ヘルプデスクとコールセンターでは、設置する目的や期待される役割に違いがあります。
ヘルプデスクは、商品・サービスに関する疑問の解決に特化したサポート部署です。なかでも、顧客からの専門的な問い合わせに的確に対応することが求められます。同時に、コールセンターや他部署に電話が集中しないよう、負荷を分散させるのも役割のひとつです。
また、社内のシステムや機器類にトラブルが生じた場合でも、ヘルプデスクを運営していれば従業員を手厚くサポートできます。顧客と従業員の双方にとって信頼できる相談窓口を用意することが、ヘルプデスクの設置目的といえるでしょう。
これに対し、コールセンターには、カスタマーサポートと営業活動という2つの役割があります。顧客からの問い合わせやクレームに対応することはもちろん、テレアポやテレマに取り組むことも大切です。
社内外を問わず課題の解決に注力するヘルプデスクと比べて、コールセンターはより広い範囲での問い合わせ対応を目的としています。
そのため、取り扱う商品・サービスの専門性や顧客層などを参考にして、ヘルプデスクとコールセンターのどちらが自社に適しているのか判断するようにしてください。
業務内容の違い
ヘルプデスクとコールセンターの違いには、それぞれ担当する業務内容も挙げられます。
ヘルプデスクは顧客や従業員の疑問解決を目的としているため、基本的に受け身の業務体制です。ヘルプデスクから顧客に電話したり、商品・サービスの売り込みやマーケティングを行ったりはしません。
また、コールセンターで解決できない複雑な問い合わせについて、対応を任されるケースもあるでしょう。そのため、コールセンターをはじめとした他部署との連携を強化し、専門性を高めることが、ヘルプデスクの運営を円滑にします。
一方で、コールセンターの業務内容は多種多様であるうえに、ヘルプデスクのように受動的なものに限りません。電話対応にあたるインバウンド業務と合わせて、顧客に電話をかけるアウトバウンド業務もあります。
つまり、コールセンターでは能動的な業務も行っているという点が、ヘルプデスクとの大きな違いです。コールセンター業務では、商品・サービスの専門知識よりも、臨機応変に電話対応できるかどうかが重視されるといえるでしょう。
必要なスキルの違い
ヘルプデスクとコールセンターでは目的や業務内容が異なるため、必要とされるスキルも変わります。
顧客の問題解決を目的とするヘルプデスクにおいては、円滑なコミュニケーションが欠かせません。これに伴い、ヘルプデスクのオペレーターには、顧客の悩みや潜在ニーズを引き出すヒアリング力が求められます。
また、顧客に対してわかりやすく解決策を説明できるトークスキルも、きちんと身につけるべきです。もちろん、取り扱う商品・サービスの知識は常にアップデートしておくように心がける必要があります。
コールセンター業務についてもヘルプデスクと同様、柔軟なコミュニケーション能力や商品・サービスの正しい知識が必要です。また、コールセンターにはクレームの電話がかかってくる可能性もある分、敬語の使い方や話し方といった、ビジネスマナーの基礎も押さえておかなければなりません。
さらに、オペレーターが対応履歴を記録するのに、基本的なパソコンスキルを習得しておくと便利です。
特にコールセンターに関しては、コミュニケーション能力と商品・サービスの知識を活かしたマルチな電話対応スキルがカギとなるでしょう。
自社にヘルプデスクとコールセンターのどちらが必要か?
ヘルプデスクとコールセンターの違いをしっかり理解したうえで、自社にはどちらが必要なのか検討することが大切です。ここでは、ヘルプデスクとコールセンターの設置を決定するまでのフローについて解説します。
業務・業務プロセスの棚卸し
先述の通り、ヘルプデスクとコールセンターではそれぞれ業務内容が異なります。そのため、まず社内で業務の棚卸しを行うとともに、業務プロセスを整理しなければなりません。
現時点で顧客の問い合わせにはどうやって対応しているのか、また改善すべき点がないか、従業員の意見を取り入れながら検証してください。
このように業務を棚卸しすることで、自社の抱える課題を洗い出せるところがメリットです。さらに、業務プロセスに無駄な部分があれば修正し、効率化を図る機会にしてもよいでしょう。
ヘルプデスクとコールセンターの設置にあたって、社内全体の業務効率を高められれば、企業の成長に結びつきます。
必要な役割・機能の明確化
業務・業務プロセスの棚卸しが完了したら、自社に必要なサポートサービスの役割と機能を明確にしてください。
商品・サービスの分野によっては、顧客から問い合わせが集中しやすい企業もあるでしょう。正しい使い方をレクチャーしたり、故障時の対応を案内したりと、丁寧に顧客をフォローできる環境が整備されていれば、商品・サービスのリピーター獲得につながります。
また、自社の商品で通信販売を行う場合には、注文や問い合わせを受け付ける部署が必要です。さらに、市場開拓を効果的に進めるために、電話での営業活動に注力したいという企業のニーズも、役割・機能の明確化に関わってきます。
ヘルプデスクとコールセンターのどちらが目的に合うかを検討
自社の業務における課題を改善するためには、どのような役割・機能が必要なのか検証し、目的に合ったサポート部署を設置しましょう。
例えば、自社で扱う商品・サービスのサポートサービスを強化したいなら、専門的な質問に回答できるヘルプデスクの設置がおすすめです。
一方で、コールセンターには、問い合わせ対応や注文受付など幅広い業務を割り当てられます。さらに、既存顧客だけでなく新規顧客の獲得を目指す場合にも、コールセンターが適しているでしょう。
ヘルプデスクとコールセンターそれぞれの強みを活かすことで、サポート体制の弱点を克服できます。ヘルプデスクとコールセンターは同じではない、という認識のもと、自社との相性が良い方を選ぶようにしましょう。
まとめ
ヘルプデスクとコールセンターはよく似た部署だと思われがちですが、その役割や業務内容には違いがあります。この違いを理解しておかなければ、自社のニーズに合わないサポート体制を築いてしまう可能性があります。
ヘルプデスクとコールセンターでは、目的や役割が異なります。また、業務内容も異なるため、オペレーターに必要なスキルも変わる点に留意してください。
ヘルプデスクとコールセンターのどちらを設置すべきか迷っているなら、まずは業務の棚卸しを行い、自社に必要なサポートの役割・機能を検証しましょう。ヘルプデスク、あるいはコールセンターを通じて、顧客満足度の高いサポートの実現を目指してみてはいかがでしょうか。
中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という豊富な実績を強みとする電話代行サービス会社です。カスタマー応対率も95%(※3)を維持しており、手厚いサポート体制を実現しています。
また、中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍しているため、電話対応の品質は確かなものです。さらに、代行できる業務範囲や使用ツールを拡充し、企業様のニーズに合わせたプランを提案します。自社にコールセンターを設置したい企業様は、ぜひ一度中央事務所にご連絡ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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