公開日 2023.11.02
更新日 2024.01.29
知識
コールセンターのテレワーク化は難しい?課題や導入方法・ポイントを解説
近年、デジタル技術の発展やライフスタイルの多様化によって、さまざまな働き方を選択できるようになっています。なかでも注目されているのが、自宅や職場以外の場所で業務を行うテレワークです。
しかし、接客業やサービス業ではテレワーク化が難しいといわれ、コールセンターも例外ではありません。そこで今回は、コールセンターのテレワーク化に見られる課題と、適切な導入方法について解説します。
併せてテレワーク化のメリット・デメリットも説明するので、参考にしてください。
コールセンターにおけるテレワークとは?
そもそもテレワークとは、「tele(離れた所)」と「work(働く)」を組み合わせた造語で、場所や時間に縛られない働き方を意味します。従来の勤務形態とは異なり、テレワークでは会社や営業所以外の場所で働くことが可能です。
特に2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、各業界でテレワーク化の需要が高まっています。
企業のコールセンターでテレワークを実施する場合、自宅や別拠点でも顧客と電話でやり取りできるように、インターネット回線を使った業務環境を整えなければなりません。コールセンターのテレワーク化には、社内から在宅へとシフトする流れが重要となります。
コールセンターがテレワーク化を検討すべき理由
働き方改革の一環としてテレワークを導入する企業も多いなか、コールセンターでもテレワーク化を検討すべき理由とはいったい何なのでしょうか?ここでは、2つの理由について詳しく説明します。
恒常的な人材不足になりやすいため
コールセンターでのテレワーク化を検討すべき理由のひとつが、恒常的な人材不足に陥りやすいという点です。
コールセンター業務は広範囲に及び、オペレーターには柔軟な判断力や対応スキルが求められます。一方で、オペレーターが業務負荷に耐え切れず辞めてしまい、なかなか定着しないことから、常に人材不足になっているのが現状です。そこで、コールセンターの人材不足を解消するために、テレワーク化が有効だと考えられます。
テレワーク化によって働く場所の制約がなくなれば、さまざまな事情でコールセンターに直接出社できない人でも雇用可能です。また、子育てや介護など家庭環境の変化に伴い、勤務形態を変えたいという従業員のニーズにも応えられます。その結果、オペレーターが安定して働き続けられるようになり、人材の安定確保につながるでしょう。
BCPの観点からリスク軽減に繋がるため
コールセンターのテレワーク化は、BCPの観点からも必要な取り組みです。
BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、事業継続計画を意味します。もともと日本は台風や地震など災害の多い国であるため、緊急時においてもコールセンター運用を継続できるように計画することが重要です。
これまで、コールセンターのBCPとして、拠点の分散化やアウトソーシングサービスの活用が行われてきました。今後、コールセンターにテレワークを導入することで、オペレーターが出勤できなくなっても在宅での対応が可能となります。企業にとって、コールセンター運営が困難になるリスクを減らせるところが大きなメリットです。
コールセンターのテレワーク化が難しい理由・課題
コールセンターのテレワーク化は、人材不足の解消やBCPにおけるリスク軽減につながります。しかし、コールセンターではテレワークの実施が難しいといわれてきました。ここからは、テレワーク化の抱える4つの課題についてみていきます。
個人情報の取り扱いなど、セキュリティ面の問題があるため
コールセンターのテレワーク化を難しくする理由のひとつが、セキュリティ面の問題です。
社内に設置されたコールセンターでは、私物の持ち込みを禁止したり防音壁を作ったりして、顧客とのやり取りが外部に漏れるのを防いでいます。また、システムやツールに強固なセキュリティ対策を施すことで、より安全性の高いコールセンター運営が可能です。
しかし、テレワークとなると、セキュリティの確保をオペレーター個人に任せざるを得ない面があります。もし在宅勤務の現場から顧客情報の漏えいやデータの不正利用などのトラブルが発生すれば、企業は社会的な信用を失ってしまうでしょう。
コールセンターのテレワーク化を検討する場合、個人の勤務環境にセキュリティ対策用のシステムを整備するようにしてください。
応対品質の担保が難しいため
コールセンターのテレワーク化によって、応対品質を担保しづらくなる点が課題です。
テレワークでは管理者がオペレーターと離れた場所にいるため、直接フォローすることができません。電話対応時にオペレーター個人のスキルが大きく問われ、応対品質にばらつきが出る恐れもあります。
また、クレームや難易度の高い問い合わせに対するエスカレーションが上手くいかなければ、顧客にストレスを感じさせてしまうでしょう。
さらに、在宅環境によっては音声や通信速度に問題があり、通話の品質にも影響しかねません。
テレワーク化にあたっては、実際のコールセンターと変わらない応対品質を維持する対策が必要不可欠です。
マネジメント難易度が上がるため
コールセンターでテレワークを導入すると、管理者にとってオペレーターのマネジメントが難しくなります。
テレワークによるリモート環境では、管理者とオペレーターのコミュニケーションが不十分になりがちです。そのため、管理者はオペレーターの状況を把握しきれず、的確なサポートができなくなってしまいます。また、オペレーター側でも管理者に相談や報告をしづらくなり、業務に対するモチベーションの低下を招きかねません。
テレワークを通じて多様な働き方を実現するには、管理者のマネジメント方法を見直すとともに、オペレーターの支援ツールを充実させるように配慮しましょう。
テレワーク業務のためのシステム整備が必要なため
コールセンター業務をテレワークへと移行するにあたって、オペレーターの在宅勤務に適したシステムを整備しなければなりません。
オペレーターがコールセンターシステムを利用して電話対応できるようにネットワークを構築したり、エスカレーション用のチャットツールを採用したりと、さまざまな準備が必要です。また、テレワーク化に伴い、新しいシステムの導入やオペレーターの教育といったコストも発生するでしょう。
企業はコールセンターのテレワーク化にどれだけ予算やリソースを割けるのか、しっかり検討すべきだといえます。
コールセンターがテレワーク化するメリット
テレワーク化が難しいとされるコールセンターですが、上手く導入できた場合、どのような効果を見込めるのでしょうか?ここでは、コールセンターがテレワーク化して得られる5つのメリットについて解説します。
コスト削減につながる場合がある
コールセンターのテレワーク化によるメリットのひとつが、コストの削減です。
テレワークで顧客への問い合わせに対応できれば、従来発生していたコストを減らせる可能性があります。
・コールセンター施設の賃料
・水道光熱費
・備品購入費
・従業員の交通費
コールセンターの規模が縮小する分、ランニングコストを最小限に抑えられます。また、テレワーク化によってオペレーターの定着率が高まれば、適切な人員配置のもとで人件費の削減も可能となるでしょう。
ただし、テレワークを進めるにあたっては、在宅環境の整備にコストがかかる点に注意しなければなりません。企業は、コールセンターのテレワーク化で削減できるコストを試算し、利益還元につなげるようにしてください。
採用難易度が下がり人材不足を回避できる
先述したように、コールセンター業界は恒常的な人材不足に悩まされています。安定した人材確保のためには、オペレーターにとって働きやすい環境を作ることが重要です。
コールセンターにテレワークを導入すれば、ライフステージの変化に合わせて働き続けられる人が増えます。また、拠点から離れた地域や海外に住んでいる人であっても、オンラインでの雇用が実現可能です。つまりテレワーク化には、企業側の採用難易度を下げる効果が期待できます。
さらに、テレワークで自由度の高い働き方が促進されることで、従業員満足度も高まるでしょう。結果として人材不足のリスクを回避し、企業の成長に大きなプラスとなります。
業務の効率化や生産性の向上につながる
テレワークでは、拠点の維持費用や通勤にかかる時間といったコストを減らしたうえで、働き方を柔軟に設定できます。また、在宅環境で集中して電話に対応できるため、コールセンター全体の業務効率や生産性のアップにも効果的です。
さらに、テレワークによってオペレーターが働きやすさを実感するようになれば、ワークライフバランスの向上も十分期待できるでしょう。
テレワークは、企業とオペレーターの双方にメリットをもたらす要素です。コールセンターのテレワーク化は難しいといわれますが、マネジメント体制やシステム運用を見直しながらテレワークの導入に取り組んでみてください。
コールセンターがテレワーク化を進める方法
企業にとって、コールセンターにテレワークを導入するメリットは注目すべきポイントです。そこで、実際にコールセンターのテレワーク化を進めるにはどうすればいいのか、具体的な方法について解説します。
必要なシステムやツールを導入する
コールセンターのテレワーク化を進める場合、まず必要なシステムやツールを導入してください。
例えばコールセンターシステムや顧客管理システムは、各オペレーターがクラウドサービス上で利用できるように設定します。また、リモート環境であっても管理者のマネジメント業務を円滑化するためのツールを取り入れましょう。管理者とオペレーターがコミュニケーションツールを共有することでサポート体制も整い、電話対応の品質を高く維持できます。
特に、コールセンターではセキュリティ対策が必須となる点にも留意しなければなりません。セキュリティソフトの導入はもちろん、オペレーターにしっかりとセキュリティ意識を持ってもらう工夫が大切です。
運用体制をオンライン向けに作る
テレワークに必要なシステムやツールを準備できたら、オンライン向けの運用体制を構築していきましょう。
コールセンターのテレワークにおいて、管理者はオペレーターとオンラインで報告・連絡・相談を行うことになります。タスク管理や進捗状況についてどのような方法で共有するのか、きちんと運用ルールを定めてください。テレワークでは、従来よりも綿密にコミュニケーションを取ろうとする意識が重要です。
また、セキュリティ対策としてオペレーターのネットワーク環境を整備したり、教育研修を実施したりする必要もあります。さらに、テレワークでは自宅での通信料や電気代が上がってしまうため、福利厚生面での支援も検討するとよいでしょう。
まとめ
働き方改革のひとつとして、テレワークを導入する企業が増えています。そのなかで、顧客からの問い合わせに在宅で対応するのが、コールセンターにおけるテレワークです。
コールセンターでは、人材不足の解消やBCPのリスク軽減といった理由から、テレワーク化を検討すべきだといえます。しかし、コールセンターのテレワーク化にはさまざまな課題があり、なかなか普及が進んでいないのが現状です。
一方で、コールセンターでのテレワーク実施によって、コスト削減や人材確保、業務効率化などのメリットが期待できます。企業が主体となってテレワーク化を進め、ワークライフバランスに配慮したコールセンターを運営してみてはどうでしょうか。
中央事務所は、月間の総受電件数6万件(注1)、新規入電の応対率98%(注2)という確かな実績を保持する電話代行サービス会社です。カスタマー応対率は95%(注3)を維持し、丁寧なサポート体制を実現しています。
また、中央事務所の在籍オペレーターは専門講習を受けており、電話対応の品質が大きな強みです。さらに、業務範囲や使用ツールなどを充実させ、企業様のニーズに合わせたプランを提案します。コールセンターのテレワーク化を検討している企業様は、中央事務所にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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